特集 輸血・輸液の諸問題
日本人のRh因子について—特に輸血副作用との関係
橫山 育三
1
1山口医科大学
pp.421-426
発行日 1953年8月20日
Published Date 1953/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407201281
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約13年前,Rh因子という新しい血液型因子が発見され,其の後の詳細な研究により,此の血液型はABO式血液型についで重要なもので,臨床的には輸血副作用や溶血性疾患である胎兒赤芽細胞症等に重大な関係のある事が判明した.一般に血液型因子の分布には人種的差異があり,Rh因子の場合も,日本人と白人とでは状況が異り,之に伴い,臨床的問題も日本人の場合は白人に於ける程注意されていなかつた.しかし,日常輸血を頻繁に行う我々外科医として,果してどの程度にRh因子を顧慮しなければならないか,という点に関しては,從来あまり明でなかった.以下にRh因子の概要を述べ,併せて,日本人のRh因子についても少しく言及したい.
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