輸血検査メモ
輸血領域におけるDNA検査—Rh型
梶井 英治
1
1自治医科大学法医学・人類遺伝学講座
pp.229
発行日 1997年6月15日
Published Date 1997/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543903144
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Rh型には,極めて高いホモロジーを有する2つの遺伝子(RHD,RHCE)があり,それぞれ10個のエクソンで構成されている1,2).RhD陰性者におけるRHD遺伝子解析の結果,RhD抗原の欠損はRHD遺伝子の欠失によることが示された1,2).その成績をもとにRHD遺伝子の有無判定によるRhD genotyping(PCR法)が考案され,ヨーロッパではすでに実用に供されている.しかし,日本人ではRhD陰性者の2割近くに正常なRHD遺伝子が存在するため,このgenotyping法の導入には至っていない.一方,RhC/cおよびRhE/e抗原は1つのポリペプチド上に存在するが,各RhCE表現型をcDNAレベルで比較した結果,RhC/cにはエクソン1にアミノ酸置換を伴う1塩基置換,エクソン2に5塩基置換(3アミノ酸置換)が認められ,またRhE/eにはエクソン5にアミノ酸置換を伴う1塩基置換が示された1,2).これらの遺伝子情報に基づき,アリル特異的PCR法によるRhC/c,RhE/e genotypingが考案されている3).
Rhシステムに見いだされる種々のvariantに対しても,精力的に遺伝子分析が進められている1,2).partial Dは基本的には組換えによるD-CE-Dハイブリッド遺伝子の形成によることが判明した.
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