Japanese
English
綜説
傷害に最も反應しやすい二三の臟器について
Some organs to be easily reacted against trauma
福田 保
1
Tamotsu HUKUDA
1
1順天堂醫大
1Juntendo Medical College
pp.739-751
発行日 1952年12月20日
Published Date 1952/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407201154
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はじめに
まず初めに傷害が加えられたときの生体反應をかえりみたいのでありますが,傷害時には生体はどうしても多量の熱量を必要といたします.この生体が働くに必要な熱量を出すためには,組織成分の何かが破壊され,或は熱量に変らなければ出てこないわけであります.一方,消費された組織成分をどんどん取りいれて回復してゆくのですが.そういうふうにしていつでも常態に戻つて生体を安定させる.或は壞れた場所を修復してゆくというようなことが体内でいつも行なわれておるわけであります.そういう動きが外科などでは日常見られるわけです.H.DavisのSbockという本に書いてあるところによりますと,そういうふうな傷害に対する生体の反應を三つの相に分けております.そこでその三つの相を本論に入る前に前置としてゆきたいと思うのです.その三つの相というのはstressに対するtriphasic responseといわれてをります.最近stressという言葉がさかんに使われるのでありますが,日本語でどういうふうにいうか,あちらの辞引を引いておりますと或はプレッシュアーという言葉が書いてあるようでありますが,こゝでかりに外科的傷害というものをstressに当嵌めてお話ししてゆきたいと思うのであります.
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