外科醫のノート
婦人科医より外科医への希望
秦 淸三郞
1
Seizaburo HATA
1
1東京醫科大學婦人科教室
1Tokyo Medical College, Gynecological Dept.
pp.187
発行日 1951年4月20日
Published Date 1951/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407200802
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外科というものを他科から眺めた場合,或は他科の醫者の意見や他科で行う手術等が外科醫にとつて大きな示唆を與うる場合があります.この欄はそう云う意味で新設しました.御寄稿を歡迎致します (編集部)
外科的診断及び治療の進行は目覚しい.それは甚だ結構な事で且つ嬉しい事ではあるが,外科医の中には好んで婦人科的疾患の手術をやる人や,又婦人科的疾患を外科的疾患と誤診をし無駄な手術を行う人も少なくない.婦人科專門医のおらない時は止むを得ないが,近所に或は病院内にいる時は一應相談をし診察をしてから行えば,より正確な診断と手術が出来,外科医,婦人医共に参考となり,又無駄な手術をせずにすむ事も稀でなく從つて患者には一層幸いである.婦人科專門医が若く診断が確実ではないからとて婦人科医の診察を省略してしまう事は妥当ではなく,忍耐強く協力してこそお互が進歩し,患者がより正しい治療を受ける事が出来ると思う.殊に妊娠の合併した場合,卵管炎の場合にその感が深い.
今日まで,科が身近に経驗した印象的な症例を2,3記してみる事とする.
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