巻頭言
「希望」と精神腫瘍医
大西 秀樹
1
1埼玉医科大学国際医療センター精神腫瘍科
pp.4-5
発行日 2011年1月15日
Published Date 2011/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405101758
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精神科医であるが,今はがん患者の心のケアを中心とした診療を行う「精神腫瘍医」である。患者の多くは進行・再発がん。治癒の見込みがなく,さまざまな苦悩を抱え,かつ残りの人生が限られている患者さんが私のところを訪れることが多い。これらの人々と語ることが診療の重要な部分を占めている。
外来に肺がん治療中の患者さんが来た。2年間外来が続いている人だ。普段よりも元気がないので,どうしたのかと尋ねたところ,先日行った胸部CTスキャンの結果をこれから聞くので不安なのだという。定期的に行っている検査であるが,結果を聞くときは毎回不安になる。
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