外科醫のノート
精神科医より外科医への希望
塩入 圓袷
1
Enny SHIOIRI
1
1慶應義塾大學助教授精神科
1pychiatry Dept., Keio-Gijukn Univ.
pp.335
発行日 1951年7月20日
Published Date 1951/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407200853
- 有料閲覧
- 文献概要
外科というものを他科から眺めた場合,或は他科の醫者の意見や他科で行う手術等が外科醫にとつて大きな示唆を興うる場合があります.この欄はそう云う意味で新設しました.御寄稿を歡迎致します (編集部)
昔は外科と精神科の間には余り密接な関係はなかつた.然るに近年に至つて,この2つの分科程緊密な関係を持つに至つた領域は他に多くないであろう.それは云う迄もなく脳外科の発達に基くものであり,脳腫瘍,脳外傷等に対する手術の進歩から,更にロボトミーの発見に至つて,外科的侵襲は精神科に於ける必須不可欠の治療となつた.それと共に外科医が神経病学より更に精神医学の理解を必要とするに至つたことも又当然である.
併しこゝでは最も肝要な問題として意識障碍について述べたいと思う.
Copyright © 1951, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.