Japanese
English
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總腸間膜症に因る腸重積症例
A Case of Intestinal Invagination Caused by Common Ileocolic Mesentery
奧田 浩三
1
,
吉田 三束
1
,
木下 公吾
1
Kozo OKUDA
1
,
Mitsugu YOSHIDA
1
,
Kogo KINOSHITA
1
1周桑病院外科
pp.354-355
発行日 1949年7月20日
Published Date 1949/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407200485
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緒言
胎生時腸管は1本の管として存在し,之に腸間膜が附着したる簡單な構造を示すも,普通胎生第4ヶ月の終り頃迄には内臓形成の機轉が行われ,新生兒では既に結腸間膜の短縮が起つて上行結腸,下行結腸は後腹壁床に固定されている。然るに,胎生時の發育過程中,腸管の廻轉異常の爲,腸間膜が完成途上にその發育を停止し,或は異常發育を遂げる結果,結腸は小腸と共に一つの遊離腸間膜に附着し,盲腸及び結腸は後腹壁への固定を缺き,小腸と共に腹腔内を自由に移動する如きものを廻結總陽間膜症Mesenterium ileocolicumCommuneと稱し,盲腸部のみの固定が不完全で廻盲部が甚だしく移動性を有するものを廻盲總腸間膜症と云う。
總腸間膜症はそれ自体重篤なる症状を現わさないが時として腸軸捻轉,腸重積等の外科的疾患を惹起する事がある。このため吾人臨牀醫家は本症に注意を拂わねばならない。
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