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胃穿通性潰瘍を併へる總腸間膜症に因る全小腸軸捻轉の1例
江本 俊秀
1
1東京醫科大學篠井外科教室
pp.331-334
発行日 1948年8月20日
Published Date 1948/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407200358
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緒言
総腸間膜症は發生學上抑制的畸型に屬し,盲腸上行結腸が小腸と共通の腸間膜を有し,甚しき遊離移動性有るものを稱する。抑々本症に關する報告は1850年Bednarが乳兒の屍體解剖に於て發見せるを嚆矢とし,臨牀的には1898年Zoege vonManteuffelが始めて盲腸軸轉に關する文獻を自家例共24例を報告して以來研究興味の對照となり,其後更にHaltin,Ekehorn,Bundschuh,Kunz,Braeuning等相次いで發表し,本邦に於ても昭和3年中田教授が岡田氏と共に本症に就いて詳しく報告して以來約50例に達する。著者は最近當教室に於て胃瘍潰が移動性十二指腸に穿通し,而も總腸間膜症に因る盲腸,上行結腸及び全小腸の軸轉を起せる興味ある1例を經驗したので,茲に報告し諸賢の御批判を仰がんと思ふ。
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