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胃手術に關する2,3の私見
大島 宗二
1
1山口赤十字病院外科
pp.217-222
発行日 1948年6月20日
Published Date 1948/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407200333
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1. 緒言
外科手術書の胃手術の部を讀むと,胃切除の方法はビルロールの第1法及び同第2法を基として各種の變法が記載せられてあつて,誠に枚擧に遑がない。又其の際に使用せられる胃鉗子や胃腸縫合器の形態も千差萬別と云つてよい程に種々のものが考案せられている。之は要するに,胃切除の術式中に誰が應用しても間違いなくよい結果が得られるという方式が無いことを示しているのでわないか。又胃腸鉗子や胃腸縫合器の多種多様なことは未だ何人が使つても,之でなくてわならないという程の完全なものが創造せられていないと考えても不當な考え方ではないのでわないか。私は大正13年卒業後,恩師後藤七郞先生の許に居つた8年間及び師匠の許を去つて15年間に,凡そ識者が是なりとして提唱した各種の術式を試み,諸種の手術器械を使用して來た經驗を基礎にして,2,3の私見を披瀝して,先進諸賢の叱正を乞う次第である。
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