MY THERAPY in series・24
膣式手術私見
斉藤 達郎
1
1足利赤十字病院
pp.640
発行日 1964年8月10日
Published Date 1964/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409203106
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子宮内容除去術:最近,看護介助者不足のおりから外来入院診療とも介助者にますます労力がかかつている現状である。子宮内容除去術は外来にても行なう関係上,術中はもちろん術後も人手のかからぬしかも安全で効果のある麻酔法が必要である。静麻は管理不充分であれば不測の事態も生じ,術後の移送にも人手を要するので外来ではなかなか使用きない。私は好んで各種局麻剤による局所浸潤麻酔を行なつている。使用薬剤はノボカイン,エピロカイン,キシロカインなどだがノボカイン,エピロカインについてはすでに「臨床婦入科産科」第13巻第4号61頁にのべた。そののち0.5%〜1%キシロカイン10〜15ccによる局所浸潤麻酔法を検討した結果,これが最も効果のあるように思われる。注射法は従来の子宮腟部前後左右4ヵ所に注入する方法がもちろん効果があるが,時として血管に刺入することがあるので,私は子宮腟部をかこみ腟粘膜移行部にQuaddel (皮内注射のように)をつくり子宮頚をQuaddelにてかこむようにすることで効果のある麻酔を得ている。
副作用は殆んどないが稀に精神興奮に類するような動悸を感ずる程度でノボカインの場合のような虚脱感はない。
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