シリーズ最新医学講座・Ⅱ iPS細胞・11
iPS細胞研究における私見
須田 年生
1
Toshio SUDA
1
1慶應義塾大学 医学部発生・分化生物学
pp.1717-1721
発行日 2009年12月15日
Published Date 2009/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542102194
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
2007年11月に,京大・山中伸弥教授によってヒトiPS細胞の作製技術が発表された.マウスiPS細胞の樹立からわずか1年後のことであった.iPS細胞は,ES細胞のように多系統の細胞に分化させることができ,しかも,患者自身の体細胞から作製することができるために,再生医療実現化の切り札のように言われている.日本で開発された画期的な技術であることから,iPS細胞研究の進め方に関してホットな議論が続いている.
本稿では,あらゆる施策に光と影があるという観点に立ち,iPS細胞研究のあり方について私見を述べたいと思う.
Copyright © 2009, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.