EDITORIAL
専門医についての私見
佐々木 智也
1
1東大物療内科
pp.785-787
発行日 1966年6月10日
Published Date 1966/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402201330
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医学教育についての論議が,現在ほどにさかんであつたことはないが,その議論は起こるべくして起こつたものである。医療行為に対する報酬額をめぐる問題,インターン制度の存否,無給医局員の問題,さらにまことに残念ながら診療の過失,医師の犯罪など,すべて医学部学生に対する教育と,卒業後の修練に再検討を迫る重要問題である。文部省もようやく「大学病院における教育研修制度懇談会」(仮称)を設けて重い腰をあげ,国会でも医学教育に関する公聴会が開かれるなど,公式な場での検討も行なわれている。ここに述べる専門医制度は,世界各国において広く行なわれている重要な臨床医の制度であるので,多くの医学関連出版物にすでに数々の意見が示されているが,これまでの論者とやや異なつた立場の者として私見を述べるのも無意味ではあるまいと考える。
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