Japanese
English
臨床報告
虫垂切除20年後に虫垂根部から発生した粘液囊胞腺癌の1例
A case of mucinous cystadenocarcinoma arising 20 years after an appendectomy
岡田 学
1
,
小林 裕幸
1
,
梅田 晋一
1
,
清水 稔
1
,
野嵜 英樹
1
Manabu OKADA
1
1名鉄病院外科
キーワード:
粘液囊胞腺癌
,
虫垂切除術後
,
腹腔内膿瘍
Keyword:
粘液囊胞腺癌
,
虫垂切除術後
,
腹腔内膿瘍
pp.1148-1152
発行日 2014年9月20日
Published Date 2014/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407105192
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要旨
原発性虫垂癌の大腸癌全体に占める割合は0.4~0.6%と比較的稀であり,粘液囊胞腺癌はそのうちの40%を占めるといわれる.症例は85歳の女性で,20年前に子宮筋腫に対して子宮摘出術を施行されていたが,その際に虫垂切除術も受けていた.右下腹部痛で受診し,CTで盲腸周囲に著明な炎症像を認めた.抗菌薬治療では病状が十分に改善しなかったため,回盲部切除術を施行した.虫垂根部は穿孔しており,同部の病理組織検査で核異型が強く,胞体に粘液を含む腫瘍細胞を認めたため粘液囊胞腺癌と診断された.虫垂切除術後の遺残虫垂から発生した粘液囊胞腺癌は非常に稀な症例であるため,若干の文献的考察を加えて報告する.
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