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特集 ディベート★消化器・一般外科手術―選ぶのはどっちだ!
一般外科手術
テーマ9◆乳癌におけるセンチネルリンパ節陽性症例の追加郭清
乳癌におけるセンチネルリンパ節陽性症例の追加郭清:「郭清必要」の立場から
The feasibility of omitting axillary lymph node dissection in patients with positive sentinel nodes:recommendation for additional axillary lymph node dissection
林 光弘
1
Mitsuhiro HAYASHI
1
1東京医科大学八王子医療センター乳腺科
pp.222-225
発行日 2014年2月20日
Published Date 2014/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407104958
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Z0011試験,IBCSG23-01試験,AMAROS試験,これら3つのセンチネルリンパ節(SLN)陽性症例に対する追加郭清の省略を目的とした試験では,腋窩郭清省略(No-AD)群の無病生存率,全生存率は追加郭清(AD)群と同等であった.しかし,ADが局所制御に重要な役割を果たす症例は一定頻度存在する.BluteらのSLN陰性,腋窩リンパ節再発症例の検討では,腋窩再発後の5年無病生存率50%,5年全生存率58%と,決して良好ではない.上記3試験でも,no-AD群の腋窩再発率は有意ではないものの高い.また,SLN陽性後,追加郭清を省略したために,その後,腋窩再発を繰り返す症例をわれわれは経験している.ADのデメリットとされる上腕浮腫も,BMIが低い日本人では頻度は低く,許容できるレベルにあると考えられる.以上より,追加郭清省略は安全に施行できる症例群の特定など,さらなる研究の進展を待つべきであり,安易な導入は慎むべきである.
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