Japanese
English
臨床報告
腹腔鏡下胆囊摘出術を施行した肝内門脈血栓症を伴った胆囊炎の1例
A surgical case of laparoscopic cholecystectomy for intrahepatic portal venous thrombosis associated with cholecystitis
八木 康道
1
,
前多 力
1
,
吉光 裕
1
,
佐久間 寛
1
Yasumichi YAGI
1
1芳珠記念病院外科
キーワード:
胆囊炎
,
門脈血栓症
,
腹腔鏡下胆囊摘出術
Keyword:
胆囊炎
,
門脈血栓症
,
腹腔鏡下胆囊摘出術
pp.1367-1371
発行日 2013年11月20日
Published Date 2013/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407104846
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要旨
症例は27歳,女性.上腹部痛を主訴に当院救急外来を受診した.内服加療にて症状の改善はみられず,発症から3週間後に当科を受診した.腹部造影CTにて胆囊腺筋腫症を伴う胆囊炎が疑われ,同時に肝内門脈の分枝であるP3,P4に血栓を認めたが,末梢の肝血流障害は認めなかった.胆囊炎に起因した肝内門脈血栓症と診断し,感染巣の除去を優先して腹腔鏡下胆囊摘出術を行った.術後早期にワルファリンによる抗凝固療法を開始した.術後6か月後の造影CTで血栓の消失を確認し,抗凝固療法を中止した後も血栓の再燃は認めていない.胆道感染症に起因した門脈血栓症においては,感染巣の治療に引き続き抗凝固療法による迅速な対応が重要である.
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