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当院は,ペスト病予防のため明治32年に隔離病舎として設立されたのが始まりです.昭和2年に津島病院,昭和18年に津島町立病院を経て,昭和22年に市制施行とともに津島市民病院となりました.しかし昭和24年,火災により全焼し,2年後に再建されました.昭和29年には結核が猛威をふるっており,結核病棟を主とする分院が建築され,こちらが主体となり,昭和35年に本院と統合され,さらに昭和45年に総合病院として認定され,地域の中核病院となりました.昭和62年には市立看護専門学校が創設され順調でありました.しかし,平成18年からは全国でみられた医師の都市集中,田舎の過疎により当院でも未曾有の医師不足,特に内科医の不足に見舞われ,診療科の減少,一科あたりの専門医師の激減により病院存続の危機がありました.そのようななかでも外科は名古屋大学医学部腫瘍外科学(旧第一外科)教室の支援により医師数や手術件数の減少なく病院を支え続けることができ,平成23年より内科系医師も次第に増え,現在では研修医の育成も行えるまで立ち直りました.
外科は現在9名で診療にあたっており,日本外科学会,日本消化器外科学会の修練施設であり,各学会の指導医,専門医と日本乳癌学会認定医も常勤しております.そのため,対応疾患は消化器(消化管,肝胆膵),乳腺・内分泌を主とし,腹部では大動脈瘤,末梢血管では閉塞性動脈硬化症,下肢静脈瘤,胸部では転移性肺癌や気胸に対する胸腔鏡下手術などを行っています.当院では消化器内科があり,手術症例のほとんどは術前後に週1回,放射線科医師も交えて診断,治療方針,手術術式など,詳細にカンファレンスが行われており,根治性,安全性の高い(合併症の少ない)手術を目指しております.手術は過去2年間では食道癌3例,胃癌87例,結腸癌123例,直腸癌68例,痔疾患23例,イレウス84例,肝切除16例,胆囊結石症147例,膵腫瘍10例,乳癌95例,甲状腺腫瘍15例,鼠径ヘルニア202例,急性虫垂炎148例,血管疾患9例,肺部分切除術8例と広範囲にわたり施行しています.
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