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特集 こんなときどうする!?—消化器外科の術中トラブル対処法
膵臓
膵頭十二指腸切除術時の術中トラブル
Intraoperative trouble during pancreatoduodenectomy
山田 豪
1
,
中尾 昭公
2
Suguru YAMADA
1
1名古屋大学大学院医学系研究科消化器外科学
2名古屋セントラル病院外科
pp.477-480
発行日 2019年4月20日
Published Date 2019/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407212445
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【ポイント】
◆高度な膵炎を伴う症例:高度膵炎のために上腸間膜静脈(SMV)の同定に難渋する場合,mesenteric approachが選択肢となる.
◆術中出血:止血の大原則は,出血点の背側からの挙上であるため,あらかじめ備えておくことが賢明である.
◆膵のトンネリングが困難な場合:一般的には門脈直上で膵のトンネリングを行うが,困難な場合はSMA直上でのトンネリングを考慮する.
◆門脈合併切除の尾側限界:第1空腸静脈よりさらに尾側まで腫瘍浸潤している場合,空腸静脈が泣き別れになってしまうことが一般的であるため,再建は困難である.ただし,腸間膜系の静脈をドレナージする静脈があればそれを利用する.
◆脾静脈合併切除による左側門脈圧亢進症:脾静脈を切離した場合には左側門脈圧亢進症が危惧されるが,特に左胃静脈を温存することによりうっ血が軽減される.
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