Japanese
English
臨床報告
NSAIDsの長期使用で隔膜様狭窄を呈する腸閉塞をきたした1例
A case of intestinal obstruction caused by long-term use of NSAIDs
吉野 健史
1
,
間中 大
1
,
濱洲 晋哉
1
,
坂元 克考
1
,
小西 小百合
1
,
西躰 隆太
1
,
安原 裕美子
2
Kenji YOSHINO
1
1京都桂病院外科
2京都桂病院病理診断科
キーワード:
NSAIDs
,
腸閉塞
,
diaphragm disease
,
膜様狭窄
Keyword:
NSAIDs
,
腸閉塞
,
diaphragm disease
,
膜様狭窄
pp.469-472
発行日 2013年4月20日
Published Date 2013/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407104540
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要旨
今回われわれは,NSAIDs起因性と考えられる,小腸の膜様狭窄を伴う腸閉塞を認め,手術を施行した1例を経験した.症例は82歳,女性,他院に腸閉塞で入院後,当院へ紹介され,精査にて小腸閉塞を認め,開腹手術を施行した.小腸内腔に多発した隔壁を認め,約110cmの小腸を含む回盲部切除を行った.標本内に無数の膜様狭窄と閉塞を認めた.病理検査で特異的所見はなく,前医入院前にNSAIDsの長期服用歴を確認し,NSAIDs起因性の隔膜様狭窄症(diaphragm disease)と診断した.腸閉塞,腸炎などの腸管疾患の診療に際し,NSAIDs起因性腸炎も念頭に置き,診断・治療にあたることが重要と考えられた.
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