Japanese
English
臨床報告
十二指腸壁内血腫による通過障害を契機に診断したgroove膵癌の1例
Groove pancreatic carcinoma diagnosed by stenosis of the duodenum with an intramural hematoma: a case report
北村 祥貴
1
,
黒川 勝
1
,
石山 泰寛
1
,
松永 正
1
,
伴登 宏行
1
,
山田 哲司
1
Hirotaka KITAMURA
1
1石川県立中央病院消化器外科
キーワード:
groove pancreatic carcinoma
,
十二指腸壁内血腫
,
groove領域
,
膵癌
,
十二指腸狭窄
Keyword:
groove pancreatic carcinoma
,
十二指腸壁内血腫
,
groove領域
,
膵癌
,
十二指腸狭窄
pp.357-361
発行日 2013年3月20日
Published Date 2013/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407104507
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要旨
非外傷性十二指腸壁内血腫を契機に診断したgroove膵癌の1例を経験した.患者は60歳代,男性.悪心と腹痛を主訴に受診し,腹部造影CTで十二指腸下行脚壁内に5cm大の血腫を認めた.保存的に加療し症状は改善したが,42病日の造影CTで,groove領域に3cm大の早期相で造影効果に乏しく,後期相で濃染する腫瘤を認めた.ERCPでは膵管への浸潤はなく,胆管の圧排所見を認めた.Groove膵癌の疑いと診断し,亜全胃温存膵頭十二指腸切除術を施行した.病理組織診断はgroove膵癌であったが,血腫周囲に炎症所見および腫瘍浸潤はなかった.両疾患間に直接的な因果関係は証明できなかったが,十二指腸壁内血腫の形成にgroove膵癌が何らかの関与をしている可能性が示唆された.
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