Japanese
English
臨床報告
内臓逆位症に腸回転異常症を含む複数の奇形を伴った進行胃癌の1例
A case of advanced gastric cancer with situs inversus and multiple anomalies including intestinal malrotation
山田 哲平
1
,
岩永 真一
1
,
渕野 泰秀
1
,
城崎 洋
1
,
大谷 博
2
Teppei YAMADA
1
1白十字病院外科
2白十字病院病理
キーワード:
内臓逆位症
,
胃癌
,
腸回転異常症
Keyword:
内臓逆位症
,
胃癌
,
腸回転異常症
pp.234-238
発行日 2013年2月20日
Published Date 2013/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407104472
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要旨
症例は88歳,男性.食後の胃もたれを主訴に近医を受診し,上部消化管内視鏡検査にて進行胃癌を指摘され,手術目的に当院へ紹介され入院した.術前精査にて内臓逆位症と腹部臓器の小奇形や脈管の奇形を認めた.本症例に対して胃全摘術,2群リンパ節郭清(D2),胆囊摘出,脾臓摘出,虫垂切除,Roux-en-Y法再建を施行した.手術所見ではnon-rotation typeの腸回転異常症や新たな上腹部脈管奇形を認めたものの,術中大きな問題なく手術を遂行しえた.術前画像検査から得られた情報をもとに術者,助手ともに術前のイメージトレーニングを入念に行ったうえで,術中に鏡面像をイメージしながら腹腔内の詳細な観察を行い局所の処理を手順を追って遂行することで,通常の胃全摘術症例と同様に安全な根治術が可能であった.
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