発行日 2013年4月1日
Published Date 2013/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2013197269
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26歳男。右副腎腫瘍に伴うCushing症候群の診断で紹介受診した。生後すぐに心奇形を認め、初診時には高血糖と満月様顔貌・中心性肥満・下腹部の赤色皮膚線条を呈した。内分泌学的検査所見では血中コルチゾールが上昇し、血中副腎皮質刺激ホルモンは測定感度以下であり、dexamethasone 2mg抑制試験で血中コルチゾールは抑制されなかった。また、腹部CT所見では完全内臓逆位症と膵体部背側に造影効果の乏しい腫瘤(32×22mm)を認めたため、右副腎腫瘍に伴うCushing症候群と診断して右副腎腫瘍摘出術を行い、病理組織学的に副腎腺腫と診断された。術中、内臓逆位による多少の違和感があり、またCushing症候群による中心性肥満のため腹腔内脂肪が多く術野の確保に少々難渋したものの、心臓血管外科医や小児心臓専門医のサポートのもと、大きな偶発症なく手術を終了し得た。
©Nankodo Co., Ltd., 2013