病院めぐり
焼津市立総合病院外科
平松 毅幸
1
1焼津市立総合病院外科
pp.208
発行日 2013年2月20日
Published Date 2013/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407104466
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当院(486床)の外科は,50年前に東大第1外科(現 大腸血管外科)の支持で始まり,28年前からは浜松医大第1外科が加わって,人口14万人の当地域の外科診療を支えてきました.私が外科専修を開始した28年前から,当科には若手医師が伸び伸びと診療できる雰囲気がありました.温和な先生方が多くいらしたからだと思いますが,当地の看護師・技師の多くが自他に寛容で自由な発言をする気質を有しているのも大きいと思います.18年前に当科に再赴任して外科専修医を指導する立場になってはじめて,安全な医療を提供することと専修医に多種多数の手術を経験させることの両立の難しさを実感することとなりました.
まず自分たちのスキルアップをはかる必要がありましたが,幸運なことに,東大系と浜松医大系の手術上手な先生方のご指導を受けることができました.肝門部胆管癌などの肝胆膵の高難度手術は親友でもある山本順司先生(現 防衛医大外科学講座教授)に,腹部大動脈瘤などの血管疾患の手術は重松 宏先生(現 山王メディカルセンター血管病センター長)に,胸部外科手術は,鈴木一也先生(現 すずかけ新病院病院長)にご指導いただきました.達人の先生方から学んだ臓器(肝・胆管・膵臓・肺・リンパ節)や血管(門脈・動脈)の手術手技の本質を外さないことと,卒後3~4年目の外科専修医でも確実に行えることを両立させるべく,当科なりの手術手技を作り上げてきました.無駄が少なく,トラブルのない手術を行うことで,手術が上達したかのように外科専修医達に感じさせることが好ましい指導と考えてきました.
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