助産婦の仲間を訪ねて・3
市立病院と共存する助産院—焼津第一助産院の菅晴子さんのばあい
藤原 美幸
1
1前・東大病院
pp.215-217
発行日 1975年4月25日
Published Date 1975/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611204842
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東京から東名高速道路を走ること2時間余,海とはるか山並に囲まれた温暖でのどかな感じの町,しがし私にとっては「第5福竜丸」の名とともに記憶されている焼津市。その地で「第一助産院」を経営する菅さんは,私と同じ助産婦学校の先輩だという。
たったそれだけの予備知識で訪問したわけであるが「いま,分娩が終わったばかりなんですよ」と疲労した様子もなく迎え入れてくれた。その一言は,あの分娩時の緊張からの開放感というか,そうした雰囲気の経験者にとっては何とも懐しいような,「この方にお話を聞くことにしてよかった」といった親近感を誘うに十分な言葉だった。
菅さんは2階に案内してくれるとすぐ窓を大きく開け,目前の焼津市立病院と職員宿舎を紹介してくれた。市立病院のすぐ前で助産院を開業しているわけであるが,そのファイトに助産婦業務に対する誇りや,意気込みの片鱗をうかがうことができた。
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