Japanese
English
臨床報告
急性腹症にて発症した腹膜原発漿液性乳頭状腺癌の1例
A case of peritoneal serous papillary carcinoma developing as acute abdomen
坂下 克也
1
,
寺岡 均
1
,
渋谷 雅常
1
,
豊川 貴弘
1
,
金原 功
1
Katsuya SAKASHITA
1
1馬場記念病院外科
キーワード:
腹膜原発漿液性乳頭状腺癌
,
急性腹症
Keyword:
腹膜原発漿液性乳頭状腺癌
,
急性腹症
pp.955-958
発行日 2012年7月20日
Published Date 2012/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407104161
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要旨
腹膜原発漿液性乳頭状腺癌は原発不明の癌性腹膜炎で発見され,診断に苦慮することが多い.今回,急性腹症で発症し,外科的対応に迫られた1例を経験した.症例は88歳,女性.発熱および左側腹部痛にて当院へ紹介された.腹部CT検査で骨盤内に13×7cm大の腫瘤を認めた.著明な炎症所見を伴い,S状結腸腸間膜内穿通による腹腔内膿瘍を疑い,緊急手術を施行した.腫瘤は弾性硬で被膜を有し,S状結腸から直腸Rsにかけての大腸と一塊となっていた.両側卵巣に異常を認めなかった.直腸・S状結腸を含めて腫瘍を摘出し,人工肛門を造設した.病理組織検査で腹膜原発漿液性乳頭状腺癌と診断された.現在まで9か月が経過するが,再発を認めていない.
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