Japanese
English
臨床報告
サンゴ状腎結石に伴う腎盂腎炎から脾膿瘍を発症した1例
A case of a splenic abscess secondary to pyelonephritis with staghorn calculi
西野 豪志
1
,
片山 和久
1
,
高橋 裕兒
1
,
田中 隆
1
Takeshi NISHINO
1
1阿南医師会中央病院外科
キーワード:
脾膿瘍
,
サンゴ状腎結石
,
尿路感染症
Keyword:
脾膿瘍
,
サンゴ状腎結石
,
尿路感染症
pp.951-954
発行日 2012年7月20日
Published Date 2012/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407104160
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要旨
症例は,両側サンゴ状腎結石に伴う慢性腎不全を基礎疾患としてもつ77歳の女性で,高熱,嘔吐を主訴に当院を受診した.血液検査で,高度の炎症と腎機能障害を認めた.また,尿検査で尿路感染を認め,尿培養で大腸菌を検出した.CT検査で,脾内に70mm大の膿瘍形成を認め,両側サンゴ状腎結石と左腎盂腎炎の所見も認めた.そのほかに明らかな感染巣は認めなかった.脾膿瘍と診断し,抗菌薬投与を行ったが解熱が得られず,脾摘術を施行した.術後,呼吸不全や廃用症候群により長期入院を要したが,軽快退院した.サンゴ状腎結石は感染結石であることが多く,腎盂腎炎から脾膿瘍をきたす原因疾患となりうることが示唆された.
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