Japanese
English
臨床報告
急性膵炎を契機に発見された膵内分泌腫瘍の1例
Acute pancreatitis associated with neuroendocrine tumor of the pancreas: a case report
名取 健
1
,
今井 康雄
2
Takeshi NATORI
1
1獨協医科大学越谷病院第2外科
2獨協医科大学越谷病院病理部
キーワード:
膵内分泌腫瘍
,
急性膵炎
Keyword:
膵内分泌腫瘍
,
急性膵炎
pp.483-488
発行日 2013年4月20日
Published Date 2013/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407104543
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要旨
膵内分泌腫瘍は稀な膵腫瘍であり,急性膵炎の成因となりうることはきわめて稀である.今回,急性膵炎を契機に発見された膵内分泌腫瘍の1例を経験した.患者は61歳,女性.上腹部痛を主訴に受診し,急性膵炎と診断した.膵炎の軽快後の造影CTで,膵頭部に造影後期相で淡く濃染する径11mmの腫瘤を認めた.また,MRCPでは主膵管の途絶像と尾側膵管の拡張像を認めた.膵内分泌腫瘍を第一に疑い,膵頭十二指腸切除術を施行した.切除標本で主膵管を閉塞させる10mmの腫瘍を認めた.病理組織的にクロモグラニンA陽性,Ki-67 index 3%で膵内分泌腫瘍NET G2と診断した.原因が不明な急性膵炎では膵内分泌腫瘍の存在を念頭に置いておく必要があると考えられた.
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