Japanese
English
臨床報告
急速な転帰を辿った妊婦胃癌の1例
A case of gastric cancer with an aggressive course in a pregnant woman
村岡 孝幸
1
,
浅野 博昭
1
,
佃 和憲
1
,
内藤 稔
1
,
羽藤 慎二
2
,
三好 新一郎
1
Takayuki MURAOKA
1
1岡山大学大学院医歯薬学総合研究科腫瘍・胸部外科
2国立病院機構四国がんセンター消化器外科
キーワード:
妊娠
,
胃癌
,
若年性胃癌
,
エストロゲン
,
髄腔転移
Keyword:
妊娠
,
胃癌
,
若年性胃癌
,
エストロゲン
,
髄腔転移
pp.426-429
発行日 2012年3月20日
Published Date 2012/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407104009
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要旨
妊婦の多くが該当する若年者の胃癌には悪性度の高い腫瘍が多い.また,妊娠期間中には悪阻などによる消化器症状と消化管原発疾患による症状との鑑別が困難である.このため妊婦胃癌は進行症例が多く,予後不良である.われわれは29歳妊婦の胃癌症例を経験した.患者は妊娠33週に背部痛を発症し,血中腫瘍マーカーの上昇と画像所見から癌性腹膜炎と診断された.早期の診断確定と治療開始目的に緊急帝王切開術を行った.胃前庭部と膵頭部が一塊となった原発巣と腹膜播種を認め,術後の消化管内視鏡検査と合わせて胃癌(低分化腺癌)と診断した.5-FUとパクリタキセルによる化学療法を行ったが,病勢進行を抑制できず,帝王切開術後59日目に癌死した.
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