Japanese
English
臨床報告
頸部食道外切開で摘出し,胸鎖乳突筋フラップで縫合部被覆を行った義歯による食道異物の1例
A case of an esophageal foreign body,a dental prosthesis with a clasp,successfully removed via a cervical incision with a sternocleidomastoid muscle flap
石橋 雄次
1
,
若林 和彦
1
,
大森 敬太
1
,
山崎 洋子
1
,
渡辺 慶史
1
,
伊藤 豊
1
Yuji ISHIBASHI
1
1国立病院機構災害医療センター消化器乳腺外科
キーワード:
食道異物
,
義歯
,
手術
Keyword:
食道異物
,
義歯
,
手術
pp.422-425
発行日 2012年3月20日
Published Date 2012/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407104008
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要旨
患者は70歳,男性.食事摂取時の咳と嚥下困難感が持続したため近医を受診した.胸部X線検査で義歯と思われる異物を認め,食道異物の疑いで同日,当院に緊急入院となった.上部内視鏡検査で切歯から20cmの部位に義歯を認め,鉗子で摘出を試みたが可動性がなく,内視鏡的には摘出は困難と判断して緊急手術を施行した.頸部に襟状切開を置いて食道側壁を露出し,食道壁を切開して義歯を摘出したのち,食道壁は層層で閉層し,胸鎖乳突筋で縫合部を被覆した.術後合併症はなく退院となった.食道異物の多くは内視鏡的摘出が可能であるが,稀に手術での摘出が必要となる.義歯による食道異物に対して頸部食道外切開を要した1例を経験したので報告した.
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