Japanese
English
臨床報告
胃癌からのリンパ行性転移が強く疑われた小腸腫瘍穿孔の1例
A Case of perforated small bowel tumors suspected as being lymphatic metastases from gastric cancer
角田 知行
1
,
小杉 伸一
1
,
番場 竹生
1
,
矢島 和人
1
,
神田 達夫
1
,
畠山 勝義
1
Tomoyuki KAKUTA
1
1新潟大学大学院医歯学総合研究科消化器・一般外科学分野
キーワード:
胃癌
,
小腸転移
,
穿孔性腹膜炎
Keyword:
胃癌
,
小腸転移
,
穿孔性腹膜炎
pp.430-435
発行日 2012年3月20日
Published Date 2012/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407104010
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要旨
患者は88歳,男性.消化管穿孔による汎発性腹膜炎の診断で緊急手術を施行した.術中所見で胃中部の漿膜側に露出する腫瘤を認めたが穿孔はなく,小腸に5か所の腫瘍性病変を認め,うち2か所の小腸腫瘍が穿孔していた.また,小腸間膜にリンパ節の腫大を多数認め,胃癌の腸間膜リンパ節転移および小腸浸潤を伴う腹膜播種と考えた.穿孔部を含む小腸部分切除吻合およびドレナージ術のみ行った.切除標本では2か所とも限局潰瘍型腫瘍の潰瘍底で穿孔し,病理組織学的には粘膜下層まで進展する低分化型腺癌で,粘膜筋板近傍に多数のリンパ管侵襲が認められた.癌の局在は粘膜下層主体で播種性ではなく,リンパ行性の小腸転移が強く疑われた.
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