特集 細菌感染症
急速な転帰をたどったClostridium septicum によるガス壊疽の1例
村山 喬之
1
,
緒方 大
1
,
福田 翔子
1
,
中村 晃一郎
1
,
倉持 朗
1
,
土田 哲也
1
1埼玉医科大学,皮膚科学教室(主任:土田哲也教授)
キーワード:
ガス壊疽
,
Clostridium septicum
Keyword:
ガス壊疽
,
Clostridium septicum
pp.1507-1510
発行日 2017年9月1日
Published Date 2017/9/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000000192
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59歳,女性。米国への旅行から帰国後より左側腹部の疼痛と紫斑が出現し,当院へ搬送。左側腹部と左大腿に紫斑,表皮剝離を生じ,握雪感を認めた。炎症反応上昇とCK 高値を示し,胸部X 線で左側腹部に皮下気腫像を認めガス壊疽と診断した。試験切開を施行し漿液性の排液あり。全身管理を行うも循環動態が安定せず,搬送10時間後に死亡した。血液培養でClostridium septicumを検出。同菌種は非外傷性のガス壊疽で,大腸癌や造血器腫瘍などの悪性腫瘍患者で検出されることが多い。自験例は精査できなかったが,何らかの悪性腫瘍が存在した可能性がある。紫斑および強い疼痛が生じ,非外傷性のガス壊疽が疑われる際は,早期にガス像の有無を確認することが重要である。
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