昨日の患者
健気なシングルマザー
中川 国利
1
1仙台赤十字病院外科
pp.251
発行日 2012年2月20日
Published Date 2012/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407103956
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- 文献概要
罹患して来院した患者さんは不安を抱き,すべてに対して鋭敏となりがちである.そこで,患者さんの不安を解消するため,時にはジョークを交えて励ますことにしている.しかしながら,患者さんの状況把握が不十分な外来で,私の言葉で患者さんを大きく傷つけたことがある.
5歳の娘を連れた20歳代半ばのTさんが,母親に付き添われて来院した.問診すると,一昨日から発熱を伴う右上腹部痛があり,近医で急性胆囊炎と診断されていた.そこで手術を勧めたが,頑なに入院を拒否し,外来での治療を希望した.しかし,腹痛がひどく,心配する母親の勧めもあり,不承不承ながら手術に同意した.
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