映画の時間
—同じ日に母となった二人のシングルマザー その数奇な運命と絆の行方は?—パラレル・マザーズ
桜山 豊夫
pp.981
発行日 2022年11月15日
Published Date 2022/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401209946
- 有料閲覧
- 文献概要
舞台は2016年のマドリード。プロの写真家、ジャニス(ペネロペ・クルス)が忙しく仕事に励んでいます。被写体はちょっとすてきな男性で法人類学者のアルトゥロ(イスラエル・エレハルデ)。撮影を終えた2人は食事に行きますが、そこでジャニスはアルトゥロにある相談を持ち掛けます。彼女は、曽祖父がスペイン内戦時にフランコ政権に虐殺されたようなのですが、同時に殺された人々も含め、埋葬されている場所の発掘を実現したいようなのです。スペインの制度がどうなっているのか詳しいことは分かりませんが、いろいろ手続き上の問題や、発掘に携わる人々の確保などの問題があるようです。「歴史記憶を回復する会」のメンバーでもあるアルトゥロは、快く協力を約束します。そして惹かれ合った2人は恋に落ちることにもなります。
場面は変わって産院の2人部屋。ジャニスは臨月。子どもの父親はアルトゥロでしょうか。同室のアナ(ミレナ・スミット)も未婚の様子で、共にシングルマザーです。「想定外の妊娠だけれど後悔していない」と言うジャニスに対し、17歳のアナは不安でいっぱい。ジャニスはアナを励まし、2人は仲良くなり、同じ日に女の子を出産しますが……。
Copyright © 2022, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.