Japanese
English
臨床報告
直腸癌に対する腹腔鏡下手術後にトロッカーサイトから壊死性筋膜炎を生じた1例
A case of necrotizing fascitis at the trocar-site after laparoscopic surgery for rectal cancer
坂本 一喜
1
,
山口 智之
1
,
片岡 直己
1
,
冨田 雅史
1
,
新保 雅也
1
,
牧本 伸一郎
1
Kazuki SAKAMOTO
1
1岸和田徳洲会病院外科
キーワード:
壊死性筋膜炎
,
腹腔鏡下手術
,
トロッカーサイト
Keyword:
壊死性筋膜炎
,
腹腔鏡下手術
,
トロッカーサイト
pp.147-151
発行日 2012年1月20日
Published Date 2012/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407103930
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要旨
患者は56歳,男性.直腸癌に対して腹腔鏡補助下直腸切除術を行い,右下腹部の15mmトロッカーサイトからドレーンを挿入した.術後に縫合不全が生じ,ドレーン挿入部を中心に広範な炎症を認めた.CTで皮下気腫がみられたため術後7日目に小切開して排膿を行ったが,全身状態が悪化したため術後26日目に追加切開した.壊死性筋膜炎の所見であったためデブリードマンを行った.トロッカーサイトをドレーン挿入部として使用したことによって腹腔内の細菌が腹壁内に広がりやすい状態となり,糖尿病が基礎疾患にあったため壊死性筋膜炎に進展したものと思われた.壊死性筋膜炎は腹腔鏡下手術後にも生じることがあるため,早期の認識,診断と外科的デブリードマンが必要である.
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