ポイント画像で学ぶ腹腔鏡下低位前方切除術・1【新連載】
術野展開から中枢側血管処理
長谷川 傑
1
,
篠原 尚
2
,
松末 亮
1
,
大越 香江
1
,
山田 理大
1
,
河田 健二
1
,
川村 純一郎
1
,
坂井 義治
1
1京都大学大学院医学研究科外科学講座消化管外科分野
2虎ノ門病院消化器外科
pp.74-83
発行日 2012年1月20日
Published Date 2012/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407103913
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■はじめに
腹腔鏡の出現は外科手術手技の発展に大きな影響を与えた.特に手術画像の共有,保存が可能な点は,いつでもどこでも手術画像を反復して閲覧することを可能とし,手術手技の学習に大いに役立っている.学会,インターネット,DVDなどでも容易に動画の提示,閲覧が可能となり,手術の学習は動画全盛期となっている.
しかし,実際の手術中に術野のどこを切離・剝離するかの判断は,動画のなかの“ある一場面”(の組み合わせ)からなされているのである.今回,動画ではなく,あえて静止画にこだわった理由はそこにあり,術中に悩みやすい場面を提示することにより,読者に問題を提起し,実際の手術における判断の一助としてもらうことを目標とした.
そのためには,もちろん,正しい外科解剖の理解と,その解剖をしっかりと明らかにするための展開方法が重要になる.それを示すために,共著者として篠原尚先生にも加わっていただき,美しい解剖のシェーマと術野展開の図を作成していただいた.実際の手術画像では表しきれない,術野全体の俯瞰や解剖の理解の助けとなればありがたい.
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