特集 外科医のための大腸癌の診断と治療
5.大腸癌の外科治療
■腹腔鏡下手術
直腸切断術
野村 明成
1
,
長谷川 傑
1
,
川村 純一郎
1
,
河田 健二
1
,
肥田 侯矢
1
,
坂井 義治
1
Akinari NOMURA
1
1京都大学大学院医学研究科消化管外科学
pp.347-358
発行日 2010年10月22日
Published Date 2010/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407103292
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■狭空間深部の拡大視を共有できるという腹腔鏡手術の利点を最大限に活用するためには,術者と助手の協調操作による“2面間の適切な緊張の維持”と“切離線・剥離面の提示”が不可欠である.
■直腸固有筋膜と自律神経系を隔てる境界膜である下腹神経前筋膜,そしてDenonvilliers筋膜が,“今どこを剥離しているか”を認識し適切な剥離層を選択するためのランドマークである.
■会陰操作は,直腸前方の視野が良好であるJack-knife位で行う.先に肛門側から口側に向けて外肛門括約筋の外側(腹側)で肛門管前方の剥離を行い,次に口側から直腸前方剥離層を連結させる.男性では尿道バルーンカテーテルを,女性では内診を手掛かりにして,尿道や腟壁の損傷を回避する.
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