ポイント画像で学ぶ腹腔鏡下低位前方切除術・4
直腸周囲の剝離―後編
長谷川 傑
1
,
篠原 尚
2
,
松末 亮
1
,
大越 香江
1
,
山田 理大
1
,
河田 健二
1
,
川村 純一郎
1
,
坂井 義治
1
1京都大学大学院医学研究科外科学講座消化管外科分野
2虎の門病院消化器外科
pp.532-542
発行日 2012年4月20日
Published Date 2012/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407104036
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■はじめに
前回,直腸の剝離の前半部分を解説したが,今回はその続きでTMEの完成までを解説する.ところで,「正しいTMEの剝離層」とはどんなものであろうか? どの教科書をみても概念的には書かれているが,実際に術中に悩む場面にきちんと答えてくれるテキストはあまり遭遇することがない.
これから述べる直腸剝離の後半の部分は,腫瘍が近接することも多く,手技的にも最も難しい部分である.われわれは,手術を「再現可能なメルクマル(チェックポイント)を通過しながら,それに沿った区画に囲まれる部分を切除するもの」と考えている.読者のみなさんも,術中に1つひとつチェックポイントを通過しながら,あたかもオリエンテーリングをしているような感覚で手術を行ってもらえれば幸いである.
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