Japanese
English
臨床報告
開腹術後のドレーン抜去部に生じたRichterヘルニアの1例
A case of Richter's hernia at the drain insertion site following laparotomy
古川 健太
1
,
池永 雅一
1
,
宮崎 道彦
1
,
安井 昌義
1
,
三嶋 秀行
1
,
辻仲 利政
1
Kenta FURUKAWA
1
1国立病院機構大阪医療センター外科
キーワード:
Richterヘルニア
Keyword:
Richterヘルニア
pp.968-971
発行日 2011年7月20日
Published Date 2011/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407103648
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要旨
患者は74歳,女性.S状結腸癌に対してS状結腸切除術と,その後,肝・肺再発に対して切除術の既往があった.今回,吻合部への局所再発を認めたため,再発部の切除術を施行した.術後4日目にドレーンを抜去したが,夜間に血性嘔吐を認め絶食とした.以降の嘔吐はなく,術後6日目に食事を再開したところ,同日夜にドレーン抜去部の膨隆を認めたため,抜去部の腹壁ヘルニアと判断した.膨隆は用手的に還納することが可能であったが,術後8日目に再度,嘔吐および膨隆を認め,ドレーン抜去創への腸管の嵌頓が視認できたため緊急手術を行った.術中所見ではドレーン抜去創への腸管の嵌頓を認め,Richterヘルニアと診断して嵌頓の解除を行った.術後経過は良好で,術後11日目に退院した.
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