Japanese
English
臨床報告
術後癒着による強固な腹痛に対して腹腔鏡下手術が奏効した1例
A case of laparoscopy-assisted surgery takes is effective in to abdominal pain caused by postsurgical adhesion
延原 泰行
1
,
西尾 康平
1
,
松岡 順子
1
,
松村 雅方
1
,
小山 剛
1
Yasuyuki NOBUHARA
1
1明治橋病院外科
キーワード:
癒着性疼痛
,
腹腔鏡下手術
Keyword:
癒着性疼痛
,
腹腔鏡下手術
pp.965-967
発行日 2011年7月20日
Published Date 2011/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407103647
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要旨
患者は40歳,男性.上行結腸憩室炎を繰り返したため,腹腔鏡補助下右結腸切除術を施行した.術後に腹腔内出血をきたしたが保存的に軽快し,術後13日目に退院となった.しかし,退院後すぐに右下腹部に限局した腹痛を認めた.画像上,腸閉塞はなく,器質的な異常も認めなかった.腹痛は食事とは関係なく,体動時に増強した.痛みが強いときにはソセゴン®を使用したが,コントロールできなかった.患者本人と相談のうえ,11か月後に腹腔鏡下手術を施行した.腹腔内を観察すると,前回の小開腹創直下に小腸へ連なる索状物を認め,この部分が腹痛の原因と考えられた.そのほか腹痛の原因となるものは認めなかった.手術後は本人の訴えもなくなった.術後の強固な腹痛に対して腹腔鏡を用いて原因を同定でき,かつ解除できた症例を経験した.
Copyright © 2011, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.