Japanese
English
臨床報告
乳児の急性腹症—Richterヘルニアの1例
A case report of Richter's hernia as acute abdomen in infant
川満 富裕
1
,
長島 金二
1
,
土屋 博之
1
,
大橋 忍
1
,
石丸 由紀
1
,
根本 貴史
1
1獨協医科大学越谷病院小児外科
キーワード:
イレウス
,
急性腹症
,
Littreヘルニア
,
Meckel憩室
,
Richterヘルニア
Keyword:
イレウス
,
急性腹症
,
Littreヘルニア
,
Meckel憩室
,
Richterヘルニア
pp.1067-1070
発行日 1994年8月20日
Published Date 1994/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407901616
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はじめに
急性腹症は,Battleが初めて用いたと思われる用語で1),診断が確定できなくても緊急の開腹手術を必要とする疾患をいう.鼠径ヘルニアの嵌頓は,鼠径部に膨隆や腫瘤があれば見過ごされることはない.しかし,特殊な嵌頓ヘルニアであるRichterヘルニア(以下,本症)では,鼠径部に異常所見を認めないことが少なくない2-4).そのため,本症の診断は容易ではなく,急性腹症として開腹される例が多い.
本稿では,イレウスの診断で紹介された本症の乳児例を報告し,本症の診断について考察する.
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