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特集 良性腸疾患における腹腔鏡下手術の適応と限界
癒着性腸閉塞に対する腹腔鏡下手術の適応と限界
Laparoscopic management of the adhesional ileus
松尾 勝一
1
,
志村 英生
1
,
田中 伸之介
1
,
牧 将孝
1
,
安波 洋一
1
,
池田 靖洋
1
Matsuo Katsuichi
1
1福岡大学医学部第1外科
キーワード:
癒着性腸閉塞
,
腹腔鏡下手術
,
MSCT
Keyword:
癒着性腸閉塞
,
腹腔鏡下手術
,
MSCT
pp.47-52
発行日 2007年1月20日
Published Date 2007/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407101153
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要旨:1996年から2006年までに癒着性イレウスと診断され,われわれが手術を行った72例について検討した.腹腔鏡下癒着剝離術を35例に施行し,腹腔鏡のみで完全に遂行された症例は22例(64.7%),小開腹を併用した5例(14.7%),通常開腹への移行は8例(22.9%)であった.術前に減圧のためイレウス管を挿入し,狭窄部位の近傍で小腸造影を施行した.造影で先細り型の所見の認められた20例の腹腔鏡下手術による完遂率は80%であった.また,消化管マルチスライスCT(MSCT)を行うことによって狭窄部を3次元で表現することが可能であった.さらに,再癒着防止のため合成吸収性癒着防止材を15例に挿入し,現在まで最長7年間(平均観察期間42か月間)経過を観察しているが,1例に再発を認め,開腹で癒着を剝離した.腹腔鏡下手術の適応は腸閉塞を繰り返す「腸管癒着症候群」がよい適応と考えられ,小腸造影やMSCTによって狭窄部位の診断を詳細に行えば低侵襲な手術も可能であると考えた.
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