Japanese
English
臨床報告
胆管病変を伴った十二指腸乳頭部カルチノイドの1例
A case of carcinoid tumor of the papilla of Vater with the lesion of the common bile duct
八木 康道
1
,
吉光 裕
1
,
佐久間 寛
1
,
仲居 培雄
2
,
上田 博
2
Yasumichi YAGI
1
1医療法人社団和楽仁 芳珠記念病院外科
2医療法人社団和楽仁 芳珠記念病院消化器科
キーワード:
胆膵管膨大部
,
胆管
,
カルチノイド腫瘍
Keyword:
胆膵管膨大部
,
胆管
,
カルチノイド腫瘍
pp.850-854
発行日 2011年6月20日
Published Date 2011/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407103609
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要旨
症例は62歳,男性.上行結腸憩室出血で入院となった.上部消化管内視鏡検査で十二指腸乳頭部腫瘍を認め,生検でカルチノイドと診断された.腫瘍径は2cmを超え内視鏡的切除は困難と考えられ,幽門輪温存膵頭十二指腸切除術を施行した.切除標本病理検査にて腫瘍はOddi括約筋までの浸潤を認めたが,核分裂像や脈管侵襲はなくリンパ節転移も認めなかった.また,総胆管断端におよそ200μm程度の微小カルチノイド組織を認め,胆管カルチノイドと考えられた.微小胆管カルチノイドの報告例は現在までになく,胆管カルチノイドと十二指腸乳頭部カルチノイドとの合併例もないことから,本症例はきわめて稀な1例と考えられた.
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