ひとやすみ・71
他科の手術に学ぶ
中川 国利
1
1仙台赤十字病院外科
pp.449
発行日 2011年4月20日
Published Date 2011/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407103499
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専門医としては,その領域を極める必要がある.しかし,臨床においては必ずしも専門分野だけで治療が完結するわけではないため,ほかの領域にも関心を持つことが大切である.特に手術手技は,書物を読むだけでは会得できない.幸い近年はDVDなどによって容易に達人の手術を見ることが可能となった.しかしながら,編集されたDVDと異なり,臨場感溢れる実際の手術での体験は鮮明にいつまでも覚えているものである.
30数年前に初期研修医として勤務した病院には麻酔科医が不在であったため,研修医が交代で全科の麻酔をかけていた.また,外科以外の診療科では医師が少なく,看護師を相手に手術を行うことも稀ではなかった.そこで,麻酔をかけながら助手として手術を手伝ったものである.そして皮膚縫合1つをとっても,各科によって手術手技が異なることを知った.脳外科では縫合間隔を密にして硬く縛り,整形外科では間を空けて緩く縛り,腹部外科ではその中間であった.
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