Japanese
English
臨床報告
胃切除後の難治性腹水に対して腹腔-静脈シャント術が有効であった1例
A case of refractory postoperative ascites treated by peritoneovenous shunt
桒田 亜希
1
,
中光 篤志
1
,
今村 祐司
1
,
香山 茂平
1
,
上神 慎之介
1
,
藤解 邦生
1
Aki KUWADA
1
1JA広島厚生連廣島総合病院外科
キーワード:
胃癌術後
,
腹腔-静脈短絡術
,
C型肝炎
,
難治性腹水
Keyword:
胃癌術後
,
腹腔-静脈短絡術
,
C型肝炎
,
難治性腹水
pp.395-399
発行日 2011年3月20日
Published Date 2011/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407103482
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要旨:患者は74歳のC型肝炎の既往がある女性.胃癌で幽門側胃切除術を施行し,術後に著明な腹水貯留を認めた.利尿剤でコントロールが不良であったため,計4回の腹水濾過濃縮再静注法を施行した.しかし腹水の減少を認めなかったため,術後83日目に腹腔-静脈シャント造設術(Denver ascites shunt system)を施行した.術後に腹水は減少傾向であったため,リハビリ目的で術後4か月目に転院となった.転院後6か月目のフォローアップCTでは腹水は消失していた.難治性腹水に対して腹腔-静脈シャントは侵襲の少ない外科的治療の1つであるが,術後の難治性腹水に対して腹腔-静脈シャントを施行した症例の報告は少ない.胃癌術後の難治性腹水に対し腹腔-静脈シャントを施行して良好な結果を得た症例を経験したので,文献的考察を加えて報告する.
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