Japanese
English
特集 ESD時代の外科治療
胃癌に対するESD
鹿児島大学病院での「外科の対応」
A knack of treatment for early gastric cancer in Kagoshima University Hospital
石神 純也
1
,
上之園 芳一
1
,
有上 貴明
1
,
夏越 祥次
1
Sumiya ISHIGAMI
1
1鹿児島大学医歯学総合研究科腫瘍制御学消化器外科
キーワード:
胃癌
,
粘膜はく離術
,
治療ガイドライン
,
センチネルリンパ節
,
微小転移
Keyword:
胃癌
,
粘膜はく離術
,
治療ガイドライン
,
センチネルリンパ節
,
微小転移
pp.1108-1111
発行日 2010年8月20日
Published Date 2010/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407103149
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要旨:内視鏡治療の技術の進歩と各種医療機器の改善により,内視鏡的粘膜下層はく離術(ESD)が安全で容易に施行可能となり,対象病変の範囲,部位が広がってきている.一方,早期胃癌といえどもリンパ節転移のリスクは存在しており,わが国の膨大な早期胃癌のデータを基にしてリンパ節転移高危険群が設定されている.胃癌治療ガイドラインでは,これら症例に対しては胃切除とリンパ節郭清が推奨されている.ESD後の組織診断でリンパ節転移高危険群と判明した場合,所属リンパ節の郭清を含めた追加治療が必要となる.適応基準は次期胃癌治療ガイドラインに明記される予定である.しかし,早期胃癌の多くはリンパ節転移のみられない症例であり,リンパ節転移が低リスクの症例に対して画一的なリンパ節郭清は望まれない.転移のみられない症例を過去のデータから抽出することは重要な作業である.それとともに転移リンパ節をいかにして検出するかということが重要である.これらの状況を加味して,当科ではESDの適応拡大の際には,微小転移診断を基にセンチネルリンパ節生検を行う治療の工夫を試行しているので紹介した.
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