院内倫理委員会・1
鹿児島市立病院
武 弘道
1
1鹿児島市立病院
pp.72-73
発行日 1997年1月1日
Published Date 1997/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541902013
- 有料閲覧
- 文献概要
当院に倫理委員会が設置された背景
鹿児島市立病院はベッド数681床,1日の外来患者数1,400人で九州の自治体病院では最も大きい病院である.当院の特色としては救命救急センターと周産期医療センターの充実がある.この両者の活動は九州の病院ではトップ3の中に入っているのである.
当院において倫理委員会の設置の要望がでたのもまずこの2部門からであった.人口170万人の鹿児島県で唯一の救命救急センターである私たちの病院には離島を含めた南北600キロの県下全域から重症の救急患者が運び込まれる.救急車で搬入される症例だけでも年間3,400件に上る.この中で倫理的に最も問題になるのがエホバの証人の人々への救急医療である.一方,わが国で1番目と2番目の五つ子を無事に育て上げたことで有名になった産婦人科部門では,未熟児医療に関する諸問題や体外受精をはじめとする生殖医療の臨床導入の問題が,倫理委員会での討議を必要とするようになってきた.発足して3年弱の若い委員会であるが,概要を紹介する.
Copyright © 1997, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.