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特集 ESD時代の外科治療
胃癌に対するESD
昭和大学横浜市北部病院での「外科の対応」―ESDと腹腔鏡下胃切除術の間を埋める新しい治療法(CLEAN-NET)の開発
Surgical management of early gastric cancer in the era of ESD;our strategy at Digestive Disease Center in Showa University Northern Yokohama Hospital.
井上 晴洋
1
,
小鷹 紀子
1
,
伊藤 寛晃
1
,
里館 均
1
,
工藤 進英
1
Haruhiro INOUE
1
1昭和大学横浜市北部病院消化器センター
キーワード:
ESD
,
腹腔鏡下胃切除術
,
LADG
,
胃全層切除術
,
CLEAN-NET
Keyword:
ESD
,
腹腔鏡下胃切除術
,
LADG
,
胃全層切除術
,
CLEAN-NET
pp.1102-1106
発行日 2010年8月20日
Published Date 2010/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407103147
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要旨:内視鏡的粘膜下層はく離術(ESD)に対して外科がフォローする点は,大別すると2種類がある.1つは,①分化型粘膜癌と考えESDを施行した結果,sm2などのESDの適応外病巣であった場合と,もう1つは,②3cm以下の分化型Mではあるものの高度の瘢痕症例などのいわゆるESD困難例であろう.①には追加の腹腔鏡下手術が施行される.一方②に対しても,これまでは,画一的に腹腔鏡下手術が適応されてきた経緯があろう.われわれは,主として②に対して,より低侵襲な治療をめざして,CLEAN-NET(combination of laparoscopic and endoscopic approaches to neoplasia with non exposure technique)を開発して臨床応用している.CLEAN-NETとは,胃の局所切除(全層)を経口内視鏡と腹腔鏡の組み合わせで“胃内腔を腹腔内に開放することなく”行う方法である.色素法のsentinel node navigationを併用しつつリンパ節郭清も行う.CLEAN-NETは,ESDと腹腔鏡下手術の間を埋める新しい治療法であり,胃の切除範囲を最低限にとどめられる手法と期待される.このように過不足のないオーダーメイド医療を追及している.
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