特集 癌治療のプロトコール2005-2006
Ⅲ.大腸癌治療のプロトコール
昭和大学横浜市北部病院消化器センター
石田 文生
1
,
工藤 進英
1
,
田中 淳一
1
,
遠藤 俊吾
1
,
日高 英二
1
,
永田 浩一
1
,
辰川 貴志子
1
,
樫田 博史
1
1昭和大学横浜市北部病院消化器センター
pp.109-116
発行日 2005年10月22日
Published Date 2005/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407100213
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はじめに
癌治療の方法を決定するに際して,benefitとriskを正しく評価した,すなわち病変の根治性と治療による侵襲の大きさを考慮した選択が望まれる時代になってきた.診断のうえでは,大腸内視鏡診断学は電子スコープの出現と拡大電子スコープの開発によって飛躍的に進歩を遂げた1).一方,治療面でも1992年に腹腔鏡下手術がわが国に紹介されて以来,大腸手術にも腹腔鏡下手術が導入されるに至った.腹腔鏡下手術手技の開発と適応の拡大によって,さらに低侵襲な手術治療が可能となってきた.また近年,内視鏡においても粘膜切開剝離法(endoscopic dissection:以下ESD)が大腸に導入されて,治療法の選択がより多彩になっている.これらの医療技術の進歩を背景として,正確な診断に基づいた的確な治療法の選択が確実なものとなりつつある.
本稿では,われわれが現在行っている大腸癌治療のプロトコールを,これまでに蓄積・解析したデータを示しながら紹介したい.
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