合併症ゼロを目指した最新の低侵襲内視鏡外科手術
Ⅱ 胃 6 胃GIST に対するCLEAN-NET を用いた単孔式腹腔鏡下胃局所切除術
大森 健
1
,
山本 和義
1
,
柳本 喜智
1
,
矢野 雅彦
1
,
宮田 博司
1
,
大植 雅之
1
1大阪国際がんセンター消化器外科
キーワード:
単孔式腹腔鏡下胃局所切除術
,
GIST
,
CLEAN-NET
Keyword:
単孔式腹腔鏡下胃局所切除術
,
GIST
,
CLEAN-NET
pp.427-433
発行日 2018年3月31日
Published Date 2018/3/31
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000000632
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腹腔鏡手術は,早期胃がん,胃粘膜下腫瘍に対する低侵襲手術の1 つである。単孔式腹腔鏡手術は,1 つの臍部創のみから行い,腹壁のダメージを最小限にした術式であり,究極の低侵襲手術といえる。しかしながら,通常の多孔式手術に比べると,操作鉗子数の制限や,鉗子どうしの干渉による動作制限のため,安定した術野が得にくく,工夫が必要である。胃GIST に関しては,リンパ節転移は非常にまれであり,リンパ節郭清術は不要で,機能温存を考慮した術式が選択される。つまり,周囲臓器を温存した部分切除が可能なら局所切除を,部分切除で一括切除が不能なら全摘もしくは周囲臓器を合併切除する拡大手術が行われる。画像上血流が豊富なGIST,被膜が脆弱なGIST,臨床的に悪性度の高いGIST は開腹が奨励される。腹腔鏡手術は,慣れた術者であれば安全に行われるとされているが,注意点として,腫瘍自体を直接把持しないことがあげられている。
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