Japanese
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臨床報告
超音波内視鏡下針生検(EUS-FNA)が治療方針決定に有効であった表在型食道癌の1例
EUS-FNA efficacy in esophageal cancer with lymph node metastasis
黒木 秀幸
1
,
中原 修
1
,
渡邊 雅之
1
,
高森 啓史
1
,
馬場 秀夫
1
Hideyuki KUROKI
1
1熊本大学大学院医学薬学研究部消化器外科学
キーワード:
表在型食道癌
,
EUS-FNA
,
リンパ節転移
Keyword:
表在型食道癌
,
EUS-FNA
,
リンパ節転移
pp.589-593
発行日 2010年4月20日
Published Date 2010/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407103043
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要旨:症例は75歳,男性.嗄声を主訴に前医より食道癌の診断にて当科に紹介された.上部消化管内視鏡検査で上切歯列(DA)より30cmに前壁を主体に0-Ⅱc+Ⅱa病変を認めた.DAより25cm部位には壁外性の圧排を認め,胸部CTでは,同部位に一致して4.5cm大の腫瘍を認めた.食道癌のリンパ節転移が考えられたが,主病巣が表在型であること,SIL-2Rも軽度上昇していたことから,鑑別診断として悪性リンパ腫も考えられた.確定診断目的に超音波内視鏡下針生検(EUS-FNA)を行い,細胞診の結果は扁平上皮癌の診断であった.食道癌では病期により治療方針が大きく異なる.EUS-FNAは,縦隔疾患の組織採取に有効であり,食道癌の診断および治療方針を決定する際に重要なモダリティとなると考えられる.
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