Japanese
English
症例
経肛門的に貫入した杭状異物による直腸穿孔の1例
A case of transanal rectal perforation without perineal injury caused by impalement with a pile-shaped object
中井 謙之
1
,
三嶋 康弘
1
,
伊藤 礼
1
Y. Nakai
1
,
Y. Mishima
1
,
R. Itou
1
1憲仁会中井記念病院外科
キーワード:
肛門杙創
,
直腸穿孔
,
トイレブラシの柄
Keyword:
肛門杙創
,
直腸穿孔
,
トイレブラシの柄
pp.809-812
発行日 2022年6月1日
Published Date 2022/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_geka84_809
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はじめに 杙創とは,先端が鈍な物体が,転落・転倒などの偶発的な要因により生体内に刺入した状態の創の総称で,比較的まれな外傷形態である.会陰部や肛門周囲から刺入した場合には,骨盤内臓器や腹腔内臓器を損傷する危険性がある.また,体表創と臓器損傷の程度が必ずしも一致しないことがあり,受傷早期の確実な損傷状態の把握とそれに応じた迅速な治療が重要である.今回われわれは,先端が丸く鈍なプラスチック製のトイレブラシの柄の上にふらついて尻もちをつき,肛門周囲の皮膚に刺入せず肛門内に滑り込んだことにより直腸に杙創的損傷をきたした症例を経験したので報告する.
© Nankodo Co., Ltd., 2022